文系で育ってきた人がIT業界への参入を目指してプログラミングを学び、プログラマーとして前線で活躍するということが散見されるようになってきています。ある程度の技術力さえ獲得できてしまえば技術者としての能力で理系の人とそれほど差異があるわけではなく、実務上では同等に働いていくことが可能になるということが広く認識されるようになってきたからです。論理的な思考の能力などの素養もトレーニングを積んできていることもあり、開発現場で理系にアドバンテージがあるのはコンピューターのハード側の理解の深さに由来するものが多い傾向があります。
一方、文系が活躍できる場面はより実利に向かっています。実社会で役立つことを考える視点に長けていることから、技術者視点ではなく利用者視点でのプログラム開発が自然体で行えるという特徴があるからです。どうしたらもっと利用者が喜んで利用するようになるか、どのようにしたら売れ行きが上がるかといった面から開発に臨むことができるため、仕様書に対して疑問を抱いていくこともできるのです。そして、開発現場から建設的な提言をしていくことでよりよいプログラムやシステムの開発を行っていく立役者として活躍することができます。プログラマーの立ち位置は正に開発の最前線であることから、そこでの開発途上によりよい方法に気づくことも多く、その仕事に携わる人材が利用者視点を持つことによるメリットが大きいのです。